【ほんのり怖い話】差し出された人差し指

ほんのり怖い話

498 人差し指:2001/07/21(土) 16:23
あまり怖くは無いかもしれません。
まさに、ほんのりとした体験でした。

この間の寝苦しい晩の出来事です。

その日、猛暑と仕事で疲れていた私は、いつもよりかなり早めの9時頃に、子供と一緒に就寝することにしました。
疲れていたので、すぐに寝入ることは出来ましたが、早く寝過ぎたのと暑さのせいか、夜中に目が覚めてしまいました。

まだ目は閉じたままでしたが、ふと気が付くと、軽く握った自分の左手のひらの中に、何かがありました。
それは誰かの人差し指のようでした。

同じベッドに寝ている子供は自分の右側にねているはずです。
いつもそうしてますから…。それに、それは子供の指にしては大きすぎるのです。

 

ドキッとしましたが、目を開けて確かめる勇気はありませんでした。
それなのに、自分でもどういう訳か分かりませんが、反射的にギュッとその指を握ってしまったのです。
それは確かに人間の人差し指でした。

不思議と恐怖心は湧いてきませんでした。
というより、その指はどこかでさわったことの有るように感じで、懐かしくさえ有りました。
妻か、あるいは親か…とにかくそんな感じがしました。
そんなことを考えていると、左手の中に握られた指の感触が、スッとふいに消えて無くなりました。

 

499人差し指の続き:2001/07/21(土) 16:24
しかし、今度はすぐ横に人が座っている気配、というより圧迫感を感じました。
その圧迫感が段々と重みに変わってきて、体中から冷や汗がドッと出てきました。
こんなことは、初めての体験でした。さすがに怖くなってきて、知っているお経を頭の中で何度か唱えました。
しばらくすると、その気配も突然スッと消えて無くなりました。

ほっとして、ゆっくりと目を開け、まわりを確認しましたが、何も変わったところは有りません。
子供は静かな寝息を立てて、やはり右側にねていました。

 

しばらく横になって、今の出来事を思い返してみました。
その時、ふっと亡くなった祖母の記憶が蘇ってきました。
自分にとって祖母は母親代わりの人でした。
そんな祖母が老衰と院内で感染した病で、余命幾ばくも無くなっていた時の事です。
週に何度か見舞いに行っていましたが、いつもはただ寝ているだけの祖母が、その日に限って目をぼんやりと少しだけ開けており、私に向かってゆっくりと手を差し出してきたのです。
まるで助けを求めているかのようでした。
私はある種の恐怖心のようなものをその時感じてしまって、弱々しく差し出されたその手を、どうしても握り返してあげる事が出来ませんでした。
それからしばらくして祖母はなくなり、自分はその日の事を少し後悔しました。

感傷的になってると思われるでしょうが、あるいはさっき握った指は、祖母のものだったのかも…と思うと泣けてきました。

あまり怖くもない話、長文で失礼しました。

 

管理人
管理人

祖母だったのかなぁ。だとしたら良い話で泣けるんだけどなぁ・・・

 

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