1000: 裏飯屋がお送りします 2004/04/04 04:04:04.44
俺は中学2年に転校するまでは沖縄で暮らしていた。 今から書く話は、その時の話し。 俺が空手の稽古で通う道場は、漁港のすぐ脇にあり道場以外の建物は、ほとんどが漁師さんの自宅だった。 |
そのアパートは2階建てで、上下に2部屋ずつあり1階の右手の部屋にだけ、クロス字に板が2本打ち付けられており、扉が開かないようになっていた。 玄関の両脇には花瓶が添えられ、扉にはお札のような物まで貼ってあった。 どうしても気になった俺は、稽古が終わった師範に聞いてみる事にした。 そんな状態のために、関わり合いにはなりたくないので周りの人達は知らん顔をしていた。 しばらくすると二人に子供ができてしまった。 二人は必死に考えたらしい、そしてある決断をした。 こんな場所では麻酔などありはしない。 シンナーを吸った事で、男の行動はエスカレートした。 返り血をあびた男は、しばらくして女を追いかけた。 シンナーが抜けた頃、警官は事情を聞き出して慌てて漁港近辺を捜索し始めた。 漁民にも協力を要請し、アパートから続く血痕を追い湾の中を捜索した。 だが女が見つかる事はなかった。 漁民達はあの事件のせいだと、口々に噂した。 募集からすぐに新しい入居者が決まった。 仕事を終えて、部屋に戻り疲れていた事もありすぐに布団に入った。 そしていきなり立ち上がり、悲鳴をあげた。 その時、朝の出港ににそなえて準備をしていた一人の漁師が、奇妙な光景を目撃した。 漁師はそれを見て「まやーされてる」そう思い湾に入る手前で、女の人を引き戻し、頬を叩いて正気にさせたさせたそうだ。 この事件もあり、漁民達は大家にその部屋だけは貸すなと、半ば脅迫状態で了承させ、それからあの部屋の入り口は封鎖された。 事件後その漁港では、度々お腹を押さえながら湾に向かう女の人が目撃されるらしい。 |
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